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警察庁通達「暴力団排除等のための部外への情報提供について」公表について

2月1日付けで警察庁が公式サイトで公表した通達について、ちょっと考えをまとめておこうと思う。

暴力団排除等のための部外への情報提供について
http://www.npa.go.jp/sosikihanzai/kikakubunseki/bunseki/kibun20120124.pdf(PDF/警察庁)

↓この通達により廃止された通達。冒頭部分などはほぼ同じで、わりと具体的ではある。
http://www.npa.go.jp/seisaku_hyoka/bouryokudanbugaiteikyou.pdf(PDF/警察庁)

最初に疑問に思ったのは、通達の日付けが昨年12月22日であることだ。アップされた日付けが2月1日なのである。1カ月以上もタイムラグがあるのはなぜなのか。
そもそも「通達」というのは法令ではなく、法令の適用について現場の担当者用に細かい実務を書いたものであるから、数も多いし、官報には掲載されない。かといって部内秘でもないので、原則として担当部局に行けば書面をもらえるし、法律によっては通達集も出版されている。最近はインターネット上で閲覧できるものも増えてきた。
警察庁も、もともと暴対法や暴排条例に関する通達はたくさん発しているはずである。ここへきてなぜ去年の通達を1件だけ出してきたのか。
あくまでも推測でしかないのだが、世論の様子を非常に気にしていて、最近は私らが暴排反対の共同声明
宮崎学オフィシャルサイト – 1月24日の共同声明に関して

を発表したり、弁護士や国会議員の中でも法令を疑問視する声が出始めているので、様子を見ていたのだ
「警察だって、別にテキトーにはやってません。行政機関や企業に○○さんは暴力団員であるかどうかを聞かれた時にホイホイ教えるわけではなく、きちんと手続きを踏んでます」というのをアリバイ作り的に出しておこうということではないのか。

さて、この通達を読むと、平成12年通達と同じ部分も多い。
個人的にはいずれも同文の「元暴力団員については、暴力団との関係を断ち切って更生しようとしている者もいることから(略)過去に暴力団に所属していたという事実だけをもって情報提供をしないこと」というのが気になった。ちょっと信頼しがたい。
それから、特徴的なところとしては、平成12年通達にはない文言「誓約書」である。
「情報提供を行うに当たっては、その相手方に対し、情報提供に係る対象者の住所、氏名、生年月日等が分かる身分確認資料及び取引関係を裏付ける資料等の提出を求めるとともに、提供に係る情報を他の目的に利用しない旨の誓約書の提出を求めること」。一見ちゃんとしているが、これは相当邪魔くさい作業であり、実務的にはムリだろう。

「4丁目のミヤザキさんちから、盛り蕎麦30人前の注文を受けたが、この人のウチは暴力団事務所ではないのか?」と蕎麦屋の大将が警察に聞きに行って、「ミヤザキさんについて聞いた情報は漏らしません」と誓約書を書くのかね?

確実に蕎麦がのびるぞ。

マンガのような話である。
要するに「人権上問題が起こらないように」焦っている感じがアリアリなのだ。そうなると、条例スタート時にパフォーマンス的に氏名公表や勧告を受けた人たちの「人権」はどうなるのか。これも推測だが、「こんなヤツらの人権なんかどうでもいい」という声と「いや、やっぱりちょっとまずいんじゃないの?」という声が警察庁内部にあって、軋轢もあるのだろう。
もっとも、通達を深読みすれば「手続きを踏みさえすれば少々ムリがあってもOK」ということではあるが。

いずれにしろ警察庁の幹部がメディアや国会内の状況に敏感に反応している感はあるが、共同声明を発表した私たちの力量を試そうとしているのかとも思える。
心してかからねばならない。

2012年2月7日 宮崎学

管理職ユニオン設楽さんが共同声明を支持!

宮崎学である。
先日の共同声明

は意外なほど各方面に波紋を呼んだようだ。
いろんな方から励ましの電話やメールをいただいたが、中でも盟友・設楽清嗣は、支持表明を文書で出してくれた。

設楽は以前に一緒に本も出したりしており、古い付き合いであるので、全文を紹介しておく(^^)

共著はこれ↓
敗者復活! リストラ社員の大逆襲

2012年1月29日 宮崎学


「暴力団排除条例」の廃止を求め、「暴対法改定」に反対する表現者の共同声明を支持します。

東京管理職ユニオン
執行委員長 設楽清嗣

暴力団が悪いからといって、社会から排除するというのは、人間のあり方として許されないことです。
私達の社会が「正義」の名のもとに、その「正義」に合わない人々を社会から排除するのであれば、その「正義」のあり方だけの社会となり、その「正義」のあり方の誤りに気付かないばかりか、その「正義」のあり方を変えることもできないこととなってしまいます。
例えば第2次世界大戦以前の日本・ドイツにおいて横行した、あの軍国主義の「正義」。そしてそこに向かう過程で、警察権力の抑圧とその執行――治安維持法・治安警察法――「反社会的団体を規制する」と称して、警察権力がその規制の対象を拡大解釈していった陰惨な歴史を、思い起こさざるを得ません。
今、日本の警察が暴力団に向けて振るう権力の鞭が、近い将来に市民・労働者に向けられることとなるのは、容易に想像がつきます。
暴力団的なものは、どのような人間の社会においても少なからず生み出されてきました。それを法律で裁くこと、その裁く力を警察権力に委ねること、そのようなありかたが逆に市民社会の中に形成されるべき本当の≪人間力≫を奪い去り、≪無菌クリーンルーム≫のような社会となってしまうでしょう。
市民間のトラブルに暴力団的なものを介在させて良いはずはありませんが、市民間トラブルに対策するためには、市民同士、人間同士がトラブル対策に強くなる力を、もっと強くしなやかに、そしてしたたかに作っていくことこそが必要なのではないでしょうか。
市民間のトラブルをすぐ法律や警察権力に委ねていくことでは、暴力団的なものを、警察権力的なものに置き換えたにすぎません。
暴力団的なものは、私達の社会の弱さの負の局面を象徴していると思います。そしてその暴力団やその構成員といえども、私達の社会の一員であり、私達の弱さの反映であります。
今、日本の社会は急速に変わりつつあります。
1915年以降、昭和初期の頃と同じような、とても危険な徴候が見えてきています。正に、警察権力の強大化への道です。
戦後日本の企業社会・市民社会が、暴力団的なものに依存しながら大きくなってきたことの弊害を排斥するあまり、暴力団的なものに代わって警察権力的なものが横行してきました。いま、日本の各企業と業界には警察OB が大量に入り込んでいます。今回の条例と法改正は、正にそのことをさらに拡大するものです。
私達東京管理職ユニオンという労働組合は、かつて、2001年5月11日に警視庁公安二課によって、全くいわれのない容疑で42名の私服警官による不当な捜査を受けました。この不当捜査は何を目的に実施されたのか全く不明なものでした。逮捕も起訴もなく、捜査だけがなされ、膨大な資料と情報を警察は確保して終わりました。その後、新聞記者たちの意見の中で、警察が過剰に当労組を「敵視」し、「情報収集」したがっていたことが分かりました。
又、私達東京管理職ユニオンに対して、1995年当時、日経連が月刊「経営者」という自ら発行の雑誌で「暴力団的・ヤクザ的傾向がある」と評論したことがあります。日経連及び一部の経営者たちは私達をそのように見ていたのかと唖然としました。
今日でも、否今日だからこそ、私達の労働組合活動に、戦前のような「反社会的団体」としての評価を下し、今回の法律・条例のような対象とすることは、明白に読み取れます。暴力団に加えられた行き過ぎのこの抑圧は、同時に私達にも加えられてくる抑圧だと思います。
皆様の意見表明を支持するとともに、私の見解をここに表明いたします。

2012年1月27日

Joint Statement Seeking Abolition Of “Organized Crime Exclusion Ordinances”And Protesting Against Revision To Anti-Boryokudan Law

Joint Statement
Seeking Abolition Of “Organized Crime Exclusion Ordinances”
And
Protesting Against Revision To Anti-Boryokudan Law

On October 1st in 2011, the Organized Crime Exclusion Ordinances intended to hobble mobsters came into force in Tokyo and Okinawa. Every other prefecture has had their versions of anti-mob regulations in place for some time. All of the undersigned individuals feel ashamed and guilty of having been unable to come out against the enforcement of these by-laws.
As a matter of course, we are not at all against a safe society; however, while enshrining such a “safe society” into law, the “gang exclusion ordinances” are currently being used as a tool for those in power to draw a line among the citizens and squeeze particular groups of people out of life. Such discriminative regulations pose a significant threat to the people’s right to life on an equal standing under the law.
Meanwhile, the Anti-Boryokudan Law (Law Concerning Prevention of Unjust Act by Boryokudan) is one that was drafted by career bureaucrats at the National Police Agency who did not take a blind bit of notice of the sad fact that some people in our society have no other choice but to come down and join yakuza.
A further danger to those of us, who engage in expressing themselves, is that free expression will be seriously hampered as a result of a drive for thorough enforcement of these exclusionary rules.
Since enforcement began, there have already been reports on incidents involving violation of freedom of expression, including moves to shut out books, magazines, films, etc. dealing with yakuza from stores and theaters under the instigation of local police, who quite arbitrarily enforce their municipal ordinances. With the slogan of “exclusion of antisocial forces” or “elimination of mobsters,” self-imposed control is gradually taking root in a number of industries including financial services, construction, port transport, publishing, and film. We are now in danger of getting caught in the rat race of anxiety inviting in more anxiety.
However, it is not too late…yet. We, the undersigned, strongly demand that the Organized Crime Exclusion Ordinances should be all scrapped.
In the face of this course of unconstitutional events, we also need to look to the moves being planned for the beginning of the New Year by some forces calling for a revision to the Anti-Boryokudan Law for the worse.
A group comprising some heads of local governments, including Governor of Fukuoka Prefecture, has previously called on the Ministry of Justice to alter the anti-mobster law, in response to which the National Police Agency has swiftly set up a panel of well-informed people to prepare for the proposed revision of the law. The topics being discussed on the panel include a relaxing of various requirements for law enforcement to comply with under existing law, and a widening of the scope of objects of the regulation.
In fact, it was reported toward the end of 2011 that the head of Fukuoka Prefecture and some other key municipal personalities met with the Minister of Justice to urge the easing of regulations under the law authorizing wiretaps in investigations involving organized crime, and the introduction of undercover investigation and plea-bargaining.
Our concern over the current trend is that if we should ever permit said legal revision for the worse, the basic civil liberties of the people, such as freedoms of press, expression, communication and association, would be at stake, even more so than now. Tolerance to the existence of yakuza may be a good measure of a civilized society. It is often said, ironically, that there is no room for mobster in North Korea.
What seems to be taking place and taking shape in our country in this regard foreshadows a resurgence of the infamous pre-war “Peace Preservation Law” and is reminiscent of the brutish regime of the repressive states like ex-East Germany.
Given that the era of repression had begun with the “Red witch hunting” in pre-war Japan, the existing laws and regulations originally aimed at imposing restrictions on the activities of “mobsters” could end up being used as a device to police all of the people. We will remain on high alert for any signs of such a move, and stand against oppression of individuals’ rights and freedoms.
Those who engage in expressing themselves would have no place in this country unless they had the right to enjoy free expression. Therefore, we state our position herein that we demand the abolition of the Organized Crime Exclusion Ordinances which negate our raison d’etre for being a writer, artist, performer or even an individual expressing his or her thoughts, and which represent the “death of freedom,” and that we are strictly against the proposed revision to the Anti-Boryokudan Law.

January24, 2012

Joint Statement Seeking Abolition Of “Organized Crime Exclusion Ordinances”And Protesting Against Revision To Anti-Boryokudan Law(PDF)

1・24 国会で記者会見をする

1月24日(火)13時より<「暴力団排除条例」の廃止を求め、「暴対法改定」に反対する共同声明>の記者会見を行う。
ニコニコ生放送で中継される。
「暴力団対策法」に反対する共同声明 記者会見 – ニコニコ生放送
※賛同者は、22日現在かなり増えている。ニコ生に資料を渡した時はこのメンバーであった。

なお、参考資料として「市民の目フォーラム」を紹介しておく。
市民の目フォーラム北海道CEFH@原田宏二
2012(平成24). 1. 6(金)  2012 警察改革 回顧と展望

2012年1月22日 宮崎学

暴対法改定が秒読みに入ったな(その2)

謹賀新年

とはいえめでたくもない年明けではある。
1月5日、警察庁がまとめた暴対法改定案の骨子を「暴力団対策に関する有識者会議」が了承したと報じられた。報告書はココ(PDF8.3MB)にアップしてある。じっくり読んでいただきたい。

さて、暴対法という法律そのものに問題があることは今さら述べるまでもないが、この改定作業にも大きな瑕疵がある。
まず改定の過程が不透明なのだ。検討会議の内容も、「有識者の皆さん」の氏名も報道されていない。人権に関わる問題であり、税金を使っている以上、もろもろ非公開というのはおかしいのである。

新年早々邪魔くさい話ではあるが、このテーマは続く。

2012年1月7日 宮崎学

暴対法改悪が秒読みに入ったな。

 今年ももう終わりであるが、年明けの国会で暴対法改悪が予定されている。

暴力団の通信傍受緩和を要請 12月26日 17時12分 NHK

福岡県の小川知事らが法務省を訪れ、平岡法務大臣に対し、暴力団の壊滅に向けて、通信傍受の要件を緩和することなど、新たな捜査手法の導入を認めることなどを要望しました。福岡県内では、ことし発砲事件が全国で最悪の18件発生し、そのうちのほとんどが、暴力団が関係しているとみられています。福岡県の小川知事や北九州市の北橋市長らは、26日に法務省を訪れ、暴力団に対する通信傍受の要件の緩和や、司法取引など、新たな捜査手法の導入を認めることなど、暴力団の壊滅に向けて効果的な対策を実現するよう要望しました。これに対して、平岡法務大臣は「関係省庁と連携して、どういう対策ができるか、検討して、できるかぎりのことはやっていきたい」と述べました。このあと、福岡県の小川知事は記者団に対し「福岡県内での暴力団対策は待ったなしだ。法務省には、通信傍受法の拡充・強化など、今までできなかった捜査を暴力団に限ってできないか、早急に検討してもらいたい」と述べました。

 知事らは以前も法務省や警察庁に要請をしており、盗聴の規制緩和と司法取引、おとり捜査の大っぴらな導入についても以前から言われてはいたが、この年末にカメラを入れてわざわざ東京に来るというのは、かなり話が進んでいるということだ。こうして、どんどん警察官僚主導の国家になっていくのである。

 なお、全国の条例施行以降は、各業界で「自粛」が進んでいる。いくつか記事をピックアップしたので貼っておく。

ゆうパックも「暴排」、大手3社足並みそろう

2011年12月18日03時03分 読売新聞

宅配便サービス「ゆうパック」などを手がける郵便事業会社(日本郵便)は、指定暴力団22団体の団体名が記入された荷物を取り扱わないことを決めた。宅配業界では、すでに取り扱いを見合わせているヤマト運輸(業界1位)、佐川急便(同2位)に続く措置。3社の宅配便取り扱い個数は全体の9割以上を占めており、業界を挙げた暴力団排除の取り組みが一気に加速する。国土交通省によると、日本郵便の年間取り扱い個数は、全体の約11%にあたる約3億4680万個(2010年度)。対象は「ゆうパック」や「ゆうメール」など4種類で、配達伝票の届け先や依頼主の欄に、対象団体名が記入された荷物。週明けにも、全国の約2万4000か所の郵便局などに通達する予定。郵便局の窓口に「暴力団の荷物の引き受けをお断りしています」と書かれたポスターを掲示し、周知を図るという。

企業の取り組み期待 2011年12月25日 読売新聞

photo今年の暴力追放県民大会。条例の施行で、暴力団排除の動きが進展するかどうかが注目される(9月8日、徳島市のあわぎんホールで)

暴力団との親密な交際を理由にタレントの島田紳助さんが芸能界を突然引退するなど、今年は社会と暴力団との関わりが注目を集めた。法人や企業と暴力団との癒着を断つよう求めた暴力団排除条例は、10月の東京と沖縄を最後に47都道府県全てで施行された。県内でも、4月に「県暴力団排除条例」が施行され、県警が条例の周知を図り、暴力団排除の取り組みを進めている。(中谷圭佑)

 徳島県は国内最大の指定暴力団山口組の三代目、故田岡一雄組長の出身地。県警組織犯罪対策課によると、県内で山口組の2次団体は二代目心腹会のみ。以前は尾崎組もあったが、今年9月に心腹会のトップを、尾崎組の尾崎勝彦組長が継承したのを機会に統合された。心腹会と尾崎組で100人以上の構成員がいたとされる。しかし、今回の統合をきっかけに組織を離れる組員も多く、同課は「暴力団の活動資金の枯渇が進んでいるのではないか」とみている。

また、11月末現在で、県内には心腹会を含めた山口組系の10団体の暴力団組織、準構成員も含めて約400人の関係者がいる。関係者の数は20年前と比べて、半減しているが、名刺の肩書を分かりにくくして暴力団関係者を名乗らないケースも多い。同課は「暴力団情勢は、不透明感を増してきている」と話す。同条例では、事業者が暴力団の威力を利用するために、金銭や飲食などを提供することを禁止し、提供された組員とともに、勧告やそれに従わない場合は該当者を公表するとしている。また、学校などの文教施設から周囲200メートルに、暴力団組事務所を開設することを禁じ、違反した場合は1年以下の懲役または50万円以下の罰金となる。

県公安委員会は先月、飲食代を提供していたとして、県内の経営者と山口組系暴力団幹部に同条例に基づく勧告を初めて実施した。ほかにも県警が組員と知っていて露店出店を許可した土地の貸主に対して、土地を提供しないよう指導したケースもあるという。

 さらに、同条例の施行を受けて、県内の各自治体で県暴力団排除措置要綱の制定が進む。同要綱は、業者の経営者や役員が暴力団組員、もしくは組員と関係がある場合に、公共工事の入札から除外することなどを定めている。現在、県を含む25自治体のうち、23自治体で運用が始まっている。暴力団排除に向け、各企業や関係団体の取り組みも欠かせない。しかし、まだ県内企業で独自の取り組みをするところは少ない。

 そのため同課は、より一層、県内の暴力団情勢や条例について知ってもらおうと、企業の暴力団対応の担当者を集めた講習会や各会合に月3、4回出席している。担当者からは「不動産契約後に、組員とわかった場合はどうすべきか」という声が上がり、関心の高まりが感じられるという。今年9月には同課と阿南署が、阿南市内のアパートに入居する際、自分が組員であることを貸主に告げず部屋を借りたとして、同市内の山口組系暴力団組員を詐欺の疑いで逮捕している。今後、県警は県内中小企業の関係団体などにも積極的に対策を呼びかけていく考え。「各業界独自の取り組みについて支援をしていきたい」と、暴力団のさらなる取り締まり強化を目指している。

都「暴力団排除条例」制定、その後 2011年12月13日 MXテレビ

ことし10月、暴力団の資金源を断つことを目的とした暴力団排除条例が東京都で施行されました。警視庁が把握している都内の暴力団組員は、実に全国の暴力団組員のおよそ22%=1万7000人です。暴力団の弱体化と資金源を断つことを狙って「暴力団排除条例」が施行されてから2ヵ月余り、都民や企業の間でどんな取り組みが行われてきたのか取材しました。

ことし10月1日に施行された東京都暴力団排除条例は相次ぐ詐欺、発砲事件、麻薬取引などに手を染め不正な利益を上げる暴力団を警察の力のみならず社会全体で排除しようという条例で、一般企業や都民にも暴力団との関係を断つことを求めているのが最大の特徴です。企業は暴力団に違法な金銭、いわゆる「みかじめ料」を払うのはもちろんのこと、相手を暴力団と知った上で会合場所の提供、不動産の売買・賃貸、弁当や荷物などを配達することなども禁止されます。違反すると公安委員会の指導・勧告の対象となり、それでも改善されなければ業者名などが公表されることになります。

 条例の施行を受けて積極的な動きを見せたのがホテルなどのブライダル業界です。先月16日、都内ではブライダル関係者を対象にした暴排条例の講習会が行われました。説明会には都内のホテルをはじめ、生花の販売、写真館、着付け業者などブライダルに関わるあらゆる業者53社が参加しました。日本ブライダル協会の野田兼義専務理事は「私どもブライダル業界は『イコール、集会・宴会業界』でもある。宴会、集会のときに暴力団関係者が来たら、どう対処したらいいのか。この業界にとっては非常に身近な問題」と話します。大手ホテル・ロイヤルパークホテルの南安総支配人も条例施行への不安を隠せません。南さんは「例えば結婚披露宴の客として来たのが実は暴力団関係者であったら、このようなケースにどのように対処したらいいのか。非常に不安」と話します。条例では、仮に相手が暴力団と知らなければすぐに処罰を受けるわけではありませんが、分かった後はすぐに契約を解除するなど関係を断たなければなりません。ブライダル関係者を集めた暴排条例講習会に出席した人からは「やはり難しい。お客さまを相手にする商売なので、どこで線引きをするのか」「あらためて毅然とした態度で臨むべきだなと感じた。あまり遭遇したくはないんですけれどもね」といった声も聞かれました。警視庁は条例施行の10月以降、1ヵ月で39回の業界向け説明会を実施し、条例に対する事業者の不安に応えてきました。

 また、東京都も暴力団排除に向けて取り組みを続けています。去年11月に施行された基本方針では暴力団排除の対象範囲を都の締結する「全ての契約」として、1年から2年の間、暴力団との関係がなくなったことを確認できるまで都の契約、下請けから排除されるとしています。都では「工事契約に加えて、清掃、警備などの委託契約、さらには物品の売買契約など、都が発注する全ての契約から暴力団を排除していく」(財務局・山下広樹主査)としています。

 府中市と新島村でも10月1日に暴力団排除条例が施行され、先月1日には立川市と渋谷区も施行されるなど、警視庁によると都内自治体の40%以上が今後、条例制定を検討しているということです。スタジオでは警視庁・組織犯罪対策部の住友一仁課長に、警視庁が都内で進める暴力団排除への取り組みなどについて話を聞きました。

*警視庁・暴力団排除条例に関する相談・問い合わせ 電話:0120-342-110(24時間対応)

*暴追都民センター 電話:0120-893-240(平日の午前9時~午後5時,土日・祝休)

暴力団排除条例と建設業界、もはや許されぬ“脇の甘い行為”  11/11/29 16:18 東洋経済オンライン

今、あるゼネコンの有力者には、身辺警護のため、SP(要人警護官)が付いている。警察からも、行動には十分注意するよう、要請されているという。2011年10月から東京都と沖縄県でも施行され、これで全都道府県の足並みが揃った「暴力団排除条例」――。暴力団そのものを規制する「暴力団対策法」とは異なり、企業や市民が暴力団員と交際したり、利益を提供したりするのを、禁止するのが狙いだ。社会全体と暴力団との決別とも言える。だが、「どこまで違反か」「何がセーフで何がアウトか」、また「相手が暴力団関係者か調べようない」など、適用対象が必ずしも明確でないことに戸惑っている、との指摘もある。

●次は暴対法改正か

建設業界を見渡すと、一部地域では発砲事件が相次ぎ、いずれも暴力団の犯行と見られるものの、いまだ解決していない。受注工事を巡って、業界として毅然とした態度で暴力団排除に取り組んできたが、事態は悪化する一方のようだ。先の10月には、東急建設に取引停止された腹いせで利益供与を要求した工事業者が逮捕されるなど、一筋縄ではいかない現実も横たわっている。一部では、「防弾チョッキを着用して現場作業をしている」(業界関係者)とった、笑えない冗談も漏れ伝わってくる。もちろんこれは、建設業に限った話ではない。警察庁では暴対法改正に向けて、有識者会議を発足。建設や銀行、証券業界には「委員を1人ずつ出してくれ」と、警察側から頼まれたという。

ほっかいどう経済NEWS:暴排条例施行半年 企業への浸透進まず /北海道 毎日新聞 2011年12月1日 地方版

◇契約書明記2割満たず 「何すれば」戸惑いも

 企業から暴力団への利益供与などを禁じる道暴力団排除推進条例が施行されて半年以上がたったが、企業に浸透しているとは言えないのが実情だ。道内企業を対象にした帝国データバンク札幌支店の調査では、契約書などに暴力団との契約解消を定めた暴排条項を取り入れているのは2割未満。「何をどうすればいいか分からない」との声もあり、対応に苦慮する企業の姿も浮かぶ。【吉井理記】

■認知度に差

 調査は道内の1186社を対象とし、571社から回答を得た。

暴排条例の内容を「知っている」のは430社(75・3%)で、業種別では不動産業の92%に浸透。金融や建設、農林水産関連業も80~90%程度に上ったが、運輸や製造、卸売業では60%台と低かった。

 条例施行後の対策では、弁護士との連絡体制構築100社(17・5%)▽警察との相談体制確立59社(10・3%)▽社内外での研修49社(計8・6%)--などの方策が講じられた。一方、「当面具体的対策はとらない」が226社(39・6%)、「何をすればよいか分からない」は127社(22・2%)に上り、条例で努力義務としている契約書面への暴排条項の導入は85社(14・9%)にとどまった。帝国データバンク札幌支店は「金融や不動産業界は知らずに暴力団に利用される場合もあり、警察や業界団体が説明会を開くなどの対応を取っているが、暴力団との接点が生じにくい業界は特段の対策をとる必要性を感じていないようだ」と指摘。「逆にそうした業界が今後狙われかねず、早期に対策を講じておくべきだ」と話している。

■不当要求も

調査では、「書籍や高額商品の購入要請」「業務方針への圧力」「コンプライアンスに反する行為への加担」など暴力団の不当要求を経験した企業は89社(15・6%)だった。取引先が暴力団関係企業と判明した経験も16社(2・8%)が「ある」と回答した。暴排条例は企業側に契約書面への暴排条項盛り込みのほか、▽密漁品購入など暴力団の利用▽みかじめ料支払いなどの利益供与▽組事務所に使われることを知りながらの不動産の売買・賃貸--を禁止している。札幌市の金融機関の広報担当者は「条例施行前から業務方針として暴力団などとの取引・融資は禁止している」と説明。ただし、「個人や企業が暴力団と関係があるのかなどの情報収集は金融機関だけでは限界がある。警察・関係機関との情報交換も、個人情報保護の観点とのさじ加減が難しい」と、対応の難しさを明かした。

「破門状」発行の印刷会社に大阪府警が指導書 破門状はFAXで

2011.12.16 00:50 サンケイ

 暴力団が組員の追放をほかの組織に周知する「破門状」などの印刷を請け負っていたとして、大阪府警捜査4課は15日、府暴力団排除条例に基づき、府内の印刷会社社長に指導書を交付したと発表した。印刷業界では、兵庫県印刷工業組合(神戸市中央区)が今年10月、暴力団の印刷依頼の拒否を決めた。

捜査関係者によると、指定暴力団山口組では、こうした流れを受けて、組関係者に破門状などの文書を送る際は、業者に発注した印刷物ではなく、ファクス送信に切り替えるよう下部組織に伝達したとされる。府警によると、同社は約35年前から納品。同条例施行後の今年4~10月も、計2500枚を計約20万円で受注しており、社長は「依頼を断れば、嫌がらせを受けると思った」と話しているという。

民放連:暴排指針を発表 毎日新聞 2011年12月16日 東京朝刊

日本民間放送連盟(広瀬道貞会長)は15日、放送業界における暴力団など反社会的勢力排除を徹底するため、出演契約の際の指針を発表した。指針は、出演者や事務所が暴力団関係者だったり、密接な関わりが判明した際には、出演契約を解除するとしている。契約書を交わさないことが多いため、各局が指針を出演者側に口頭で説明したり、局内に掲示して暴力団排除の意識を高める狙い。16日に全加盟社(201社)に通知する。また、民放連は指針の内容を盛り込んだ契約書のひな型も作成しており、今月中に加盟社に配布する予定。NHKは4月に解除条項を加えた契約書を作り、11月には同様の指針を策定している。

暴排条例に関する相談窓口を設置 県警 佐賀新聞 2011年11月30日

佐賀県暴力団排除(暴排)条例の来年1月施行を控え、県警は専用窓口を設け、問い合わせなどに対応している。条例には、暴力団に利益供与した事業者に対する行政処分が盛り込まれるなど、県民に直接関係する内容もあり、県警は「気軽に相談して」と話している。 県暴排条例は来年1月1日から施行される。暴力団らを県の入札や施設利用から排除することや、18歳未満の青少年を組事務所に立ち入らせることの禁止などを明記。暴力団3 件に金品を渡すなど利益供与した事業者に対しては勧告や名前の公表などが盛り込まれ、「具体例を示してほしい」との声も出ている。 県警には今年に入り、暴力団3 件に関連する相談が5件、条例に関する相談は佐賀市内の業界団体から「内容を説明をしてほしい」との問い合わせが1件あった。専用窓口は条例だけでなく、暴力団に関する相談にも応じる。 県警組織犯罪対策課は「条例の内容や暴力団に関することで、分からない点は遠慮なく問い合わせてほしい」と話している。専用窓口は0952(24)0110。

暴力団排除条例:規制逃れに躍起 マニュアル作りも

2011年12月2日 15時0分 毎日新聞

10月に東京都と沖縄県で暴力団排除条例が施行され、全国で暴排条例が出そろったのを受け、主要な指定暴力団が規制逃れに躍起になっている。会議での弁当の出前を中止したり、破門状を送る際に印刷や配達業者を使わずにファクスに切り替えた組があるほか、取り締まりを免れるためのマニュアルも作られているといい、警察当局が警戒を強めている。捜査関係者によると、破門状などの書類をファクスで送るように改めたのは、国内最大の指定暴力団山口組(本部・神戸市)。依頼先の印刷業者などが暴力団に利益を供与する「密接交際者」と判断される可能性を考慮したとみられる。中元・歳暮を取りやめる話も出ているという。

 住吉会(東京都港区)は、埼玉県内の組施設で定期的に開いている幹部の会合で、昼食の注文を中止した。稲川会(同)は葬儀などの行事の場所を民間の会場ではなく、神奈川県内の組施設に切り替えた。仕出しや宴会場の提供業者が密接交際者とされることを避けようとしたとみられる。稲川会は印刷業者への組名入りの名刺の発注も取りやめるという。松葉会(東京都台東区)の定例会などでも、組員が自分たちで食事や酒を用意。飲食中は若手組員の妻や交際相手、行きつけの店のホステスを動員して相手をさせているという。

 密接交際者は、暴力団の活動を助長したり暴力団の威力を利用する目的で組員らに利益供与する事業者など。都条例などでは、そうした違法行為が発覚すれば公安委員会からやめるよう勧告され、是正されなければ事業者名を公表される。利益供与を受けた暴力団員側も、勧告や公表の対象となる。

 一方、条例への対抗策を練る動きも。山口組は毎週、神戸市の総本部に「直参」と呼ばれる2次団体の組長らが集まり、条例の解釈や警察の取り締まりの動きについて勉強会を開催。住吉会も条例対策のマニュアルを作り、組員らに配っているという。捜査関係者は「付き合いのある業者が条例に抵触しないように工夫するなど、暴力団側の警戒感が表れている。今後も悪質な業者の指導や摘発を進め、暴力団の資金源を遮断したい」と話している。

暴排条例:6割超が対応未定、認知4分の3 帝国データ支店・県内企業アンケ /愛知 毎日新聞 – ‎2011年12月1日‎

帝国データバンク名古屋支店が県内の企業に暴力団への利益供与を禁じる暴力団排除条例への認知度や暴力団対策についてアンケート調査し、回答した606社のうち4分の3が「条例は知っている」と答えたものの、対応策が決まっていない企業も6割以上あった。「条例を知っている」と答えたのは463社(76・4%)で、業種別では不動産業(91・7%)や建設業(89・1%)が高かった。過去にあった暴力団とのトラブルを尋ねたところ、複数回答で▽「不当な利益供与を要求された」68社(11・2%)▽「業務の制止や方向転換の圧力」(2・6%)▽「取引先が後になって反社会的企業と分かった」(2・3%)▽「法令順守に反する行為に加担するよう誘いを受けた」(1・2%)。利益要求は小売業や建設業で割合が高かった。条例施行を受けての具体的対応策については、複数回答で最も多かったのは「弁護士と定期的に相談できる体制を作っている」で21・6%。続いて▽「契約書へ暴排条項を入れる」(15・2%)▽「警察と定期的に相談できる体制を作っている」(9・1%)だった。一方で「当面具体的対応策をとる予定はない」(39・4%)や「何をすればいいのか分からない」(25・2%)と答えた企業が全体の6割以上あった。条例違反で社名公表の処分を受けると、重大な経営問題につながるとの認識はまだ深まっていないことをうかがわせた。

 県警組織犯罪対策課は「ポスターやイベントなどの広報が一定の効果を上げていると思う。会社の規模や環境などの事情で取り組みに差が出てくるのではないか。対応策は業態ごとに違うので、まずは警察署や県警本部に相談してほしい」と話している。4月施行の県暴排条例は▽事業者が暴力団員に金品を渡す行為の禁止▽暴力団に使用させることを知った上での不動産譲渡の禁止--などを定め、違反事業者名が公表されることもある。特定地域での用心棒代支払いなども禁止された。【山田一晶、稲垣衆史】

新潟市に暴力団排除条例の早期制定要請 大庭県警本部長

2011.12.2 17:38  サンケイ

photo暴力団排除条例の早期制定を篠田昭市長(左)に要請する大庭靖彦県警本部長=新潟市役所

 新潟県警本部の大庭靖彦本部長は2日、新潟市役所に篠田昭市長を訪問し、暴力団員に利益の供与などを禁じた暴力団排除条例について、「都道府県は既に制定し、全国の市町村も積極的に動いている」として、新潟市も早期に制定するよう要請した。大庭本部長は「県内の暴力団の多くは新潟市内を活動の場としている」と同市内での暴力団排除の重要性を指摘。生活保護申請や市営住宅の入居申請などの市の事務事業や祭礼からの暴力団排除、新潟駅前や古町地区など繁華街で行うクリーン作戦など、市と県警の連携強化も訴えた。これに対し、篠田市長は「ぜひ私どもも進めていきたい」と暴力団排除に積極的に応じるとともに、同条例の制定については平成24年9月議会を想定していた提出時期をさらに前倒しを検討する考えを表明した。

映画「仁義なき戦い」の〝ふるさと〟東映京都撮影所も暴排宣言へ

2011.11.18 13:15 [westナビ] サンケイ

「仁義なき戦い」など多くのやくざ映画が撮影されたことで知られる東映京都撮影所(京都市右京区)は18日までに、暴力団と付き合わないことを誓う「暴力団排除宣言」をすることを決めた。京都府警によると、21日に府警の担当者による暴力団排除のための研修会を開催。その場で暴力団と付き合わない、不当要求に応じないとの宣言をするという。研修会には、俳優や撮影スタッフなど数十人が参加。府の暴排条例について説明を受けたり、不当要求の断り方を学んだりする。撮影所の担当者は「作品と現実は別。スタッフや俳優に暴排条例について理解を深めてほしい」と話し、府警は「芸能関係者が暴力団とのかかわりによって不利益を被らないようにしたい」としている。

暴力団排除を…東京都のホテル事業者が集会 日テレ 2011年10月12日

ホテル業界から暴力団とのつながりを排除しようと、東京都のホテル事業者らが11日、集会を開いた。この集会は、1日の東京都暴力団排除条例の施行にあわせ、ホテル業界が連携して暴力団排除に取り組むことを確認するもので、都内のホテル事業者約120人が出席した。都の暴力団排除条例は、ホテルが暴力団に対し、集会のための場所を提供することを禁じているが、警視庁・毛利徹也組織犯罪対策部長は「暴力団が他人名義で契約を結ぼうとすることが懸念される」と指摘し、注意を呼びかけた。

暴排条例対策 NHK・日本野球機構(NPB)・JR東海等の例- SAPIO 2011年11月16日号2011年11月2日16時00分

業界や企業によっては、「暴力団排除条例」施行以前より反社会的勢力(反社)の排除活動に取り組んでいるが、条例施行に合わせ、初めて取り組み始めたところも多い。今回、本誌は主要企業、業界団体への聞き取り調査を実施した。回答した企業のうち、いくつかを紹介する。

■東海旅客鉄道(JR東海):「グリーン車をまるごと貸し切る」というケースは過去にあったが、それが暴力団関係者によって購入されたのかどうかは我々には分からない。公共輸送機関としては、個々のお客様を区別して対応することは非常に難しい。

■社団法人日本野球機構(NPB):2003年12月に「暴力団等排除宣言」を行ない、球団や球場などで構成する「プロ野球暴力団排除対策協議会」を結成。今年1月には選手会が暴排協議会に加入した。暴力団関係者への入場券の販売や、入場を拒否している。入場後でも退場させる。

■日本放送協会(NHK):番組出演者の選考に当たっては、暴力団に関係していないなど、公共放送にふさわしい出演者かどうか勘案し判断。紅白歌合戦についても同様の考え方で対応する。

■ヤナセ:社団法人 日本自動車販売協会連合会が旗を振っているので、我々はそれに従っている。個別の取り組みというよりは、業界全体の取り組みであり、それ以下でもそれ以上でもない。暴力団とはもともと接点がない。

■ワタベウェディング:2008年5月に社内で倫理憲章を制定。反社会的勢力を排除する項目を追加するなどこれまでも対応してきたので施行による特別な動きはない。反社会的勢力と判明した段階で利用をお断わりする。

福岡まで行って裁判で話してきた

タイトル 福岡まで行って裁判で話してきた

去年の春に福岡県警相手に裁判を起こした件である。
福岡県相手に裁判起こした。

県警といっても、実際の相手は国になるのだが、それはさておき。
11月30日に福岡地裁で本人尋問があったので、行ってきた。国を相手に闘うというのは相当ハードルが高いというか、そもそも相手にされないのが常なのだが、意外に被告側代理人もマジメに対応している印象ではあった。

この日は、作家活動への影響など具体的な損害や、いわゆる撤去要請リストの問題点を中心に話した。
被告側代理人は、「撤去を『要請』したのではない。あくまでお願いである」というようなことを言っていたが、「警察のお願い」が事実上の強制であることは間違いない。
私としては、事前の通告も何もなく、急にこんな「リスト」に載せられて、不服申し立てや抗弁の機会もなかったことに強く憤っている。このリストについては出版社側の委縮を招いていることは間違いなく、折からの不況もあって作家として大打撃を受けたのだ。
そもそも「リスト」に掲載された拙著『突破者異聞 鉄(kurogane)―極道・高山登久太郎の軌跡』(徳間書店)を原作としたコミック『実録 激闘ヤクザ伝 四代目会津小鉄 鉄 高山登久太郎』(竹書房刊)のどの部分が「暴力団を美化して青少年に憧れを抱かせる」のか、まったく不明である。
本書は終戦直後の日本で生きんがためにヤクザになった男の軌跡を追ったものであり、「こんなかっこいいヤクザがおるんだから、みんなもヤクザになりなさい」という話などでは決してない。読んでもらえればわかる。つまり、読まないでリストに載せているのが明白である。
ちなみに、リストには溝口敦の作品は一つもない。
しかし、これは法廷でも強調したことだが、「溝口こそヤクザを美化しているではないか。溝口の作品もリストに載せろ」と言うつもりはまったくない。福岡県警がどんなつもりで作品を「選別」してリスト化したのか、その経緯を問いたいのだ。
というような話をした。
被告代理人からは「撤去要請」(ではないと言っていたが)を受けた後の出版社側の具体的な対応のほか、「コミック化されたことで原作の意図が変えられたとは思わないか?」と聞かれた。これは漫画が「活字よりレベルが低い」と捉えられかねない話であり、しっかり否定しておいた。
あとは、「コンビニ」からの撤去の問題もある。「ネットや書店でも買えるんだし、コンビニだけならいいではないか」ということだが、ネットでは中身を見られないし、大型書店のコミックのコーナーにわざわざ行くより、コンビニで弁当やコーヒーを買うついでに漫画を買うほうがいい人だって多い。コンビニに対する認識の低さを感じる。
書くだけでは作家ではない。売られなくては意味がないのだ。コンビニという大きな販路から有無を言わさず追い出すことの「重さ」を福岡県警は理解していない。そこが問題なのだ。

ひとまず今回はここまで。

2011年12月2日 宮崎学

日刊ゲンダイのガサ入れの裏に「ジェラシー」ありき

10月27日、「違法な風俗店の広告」を掲載したとして広告代理店社長が逮捕され、日刊ゲンダイ本社に家宅捜索が入った。ガサ入れの様子は大々的に報道されたので、見た人も多いと思う。
当日にテレビカメラが入るということは、事前に記者クラブにブリーフィングがあったということだ。同じメディア業界の者たちが特定のメディアにダメージを与えるような報道をすることに私は強い違和感を覚えた。それと同時に、この種の報道をした「記者たち」が「ざまあみろ」と感じたかどうか、問うてみたいと思った。
なぜこのような事態になったのか。事件について自分なりに「推認」してみたい。まず、石川知裕議員の有罪判決で有名になった「推認」なる言葉は、デジタル大辞泉には

すい‐にん【推認】 [名](スル)これまでにわかっている事柄などから推し量って、事実はこうであろうと認めること。「密約文書が保存されていると―する」

とあるが、言葉としては普段は使われない。
法律学小辞典(有斐閣)には「推定」はあるが、「推認」は載っていないのだが、法律関係者によると、「推認」とは「裁判官用語」とのことである。裁判官や法廷に出る弁護士、検察官が好んで使う用語であって、日本語としてはなじみが薄いのである。
前置きが長くなったが、今回の家宅捜索を私が「推認」すると、二つの「男の嫉妬」が見え隠れする。
まず、一つめ。この出版不況にあっても日刊ゲンダイは発売部数を伸ばして健闘してきた。部数がそこそこいいことに対するメディア特に新聞業界のジェラシーがある。特に日刊ゲンダイは、他紙と違って「反小沢」ではない。小沢叩き一色の業界の中で横並び報道を排した冷静な報道をしてきた稀有な存在だ。だから部数も伸びていたのだと「推認」できる。多様な意見を取り上げるのがメディアの役割であるのに、人気が出ると異端視して排除したがるのが既存メディアなのである。
そして、二つめのジェラシー。昨今の暴力団排除で目立っている警視庁のマル暴こと組対(組織犯罪対策部)4課に対する生安(生活安全部)のジェラシーである。
もともとヤクザ相手の組対4課とは、警視庁の中でもバカにされていたと「推認」される部署なのだが、最近は条例だ法改定だと、ちょっと雰囲気が違ってきた。そこで、エロの取締まりなどを担当する生安が「マル暴だけが目立ちやがって。俺たちもいっちょ行っとくか」と存在感を示したかったと「推認」している。
「警視庁は今回の事件を受け、日本新聞協会など7団体に対し、違法広告を掲載しないよう確認の徹底を要請していて、今後、取り締まりをいっそう強化する方針です」とTBSが報道していたが、「ヤクザの次はエロで行くぜ」と強硬策に出たのだと「推認」している。
これにより、他のメディアもエロに対して委縮するはずだ。こうした状況は、私のコンビニ訴訟で実話誌の腰が引けていたことからも「推認」できる。今後は記者クラブのあり方を含め、いろんな議論をしなくてはならない。
今回の件も事件としては大きくないが、根深い問題がある。

「推認」と「特定」

さて、「推認」についてもう少し考えてみよう。
来年の国会で成立が予定されている暴対法の「改正」では、「実行犯が特定されない段階でも、脅迫電話などの捜査から攻撃した組がほぼ特定されれば、規制に踏み切る」(10月13日付け読売新聞電子版)としている。状況証拠で何でもアリにするという話で、各紙がほぼ同様の報道をしている。
つまり、これも「推認」だ。確たる証拠がなくても、周囲の事情を見て、脈絡から「特定」する。非常に恐ろしい、恣意的な判断である。
石川判決でも明らかなように、「推認」は、刑事裁判の大原則である「疑わしきは被告人の利益に」をまったく無視しているのだが、それがどんどん拡大する傾向にある。
ちょっと話はそれるが、かつて社会主義国の法律を研究する「社会主義国法」というのがあった。学生時代にその権威であるF教授の講義をこっそり聞きに行ったことがある(登録してなかったからな^^;)。
教授によると、「推認」や「みなし」という言葉を最も頻繁に使ったのは旧ソ連など社会主義国家であったという。国家に不都合な「違法行為」を取り締まるために、いろいろと拡大解釈して、たくさんの人をシベリア送りにした。
いわゆる「革命的適法性」である。革命の為なら何をしてもいいというもので、極めてザツな、法とは言えない法の適用であった。
現在の「推認」は、まさに同じではないか。
個人の自由が、暴力団排除という極めてわかりやすいロジックで狭められているのだ。
そもそも自由(freedom)については、さまざまな形で弾圧を受けてきた左翼が最も大切にしなくてはならない概念である。
しかし、ことヤクザに関しては何の反応もないどころか「ヤクザなど弾圧されて当然」という態度である。結局、基本的人権だとか自由とか言っている左翼言論には「ただしヤクザを除く」という但し書きがついているのだ。
「私は君の言うことに賛成しないが、君がそれを言う権利は死んでも守るつもりだ(S・G・タレンタイア『ヴォルテールの友人』より)
そんな言葉は、もう死語となってしまったのだろうか。

2011年10月30日 宮崎学

「警察幹部を逮捕せよ!泥沼の裏金作り」(旬報社)を最高裁が「名誉毀損」と認定したで。改めて読みなさい。

宮崎学である。
既に報じられておるが、ワシも一部執筆した「警察幹部を逮捕せよ!泥沼の裏金作り」(旬報社)と、「追及・北海道警『裏金』疑惑」(こっちは書いてない・講談社)の内容をめぐって、北海道新聞記者と出版社が訴えられていた裁判が上告棄却された。
一・二審の「一部の記述について裏付けが不自然で真実と認められないから、賠償しなさいね」という判決が確定する。
ちなみに原告の佐々木友善・元道警総務部長も上告していたが、こっちも棄却であった。

記者2人のコメントも紹介しておこう。

今回の最高裁の決定について、言論の自由を軽視するものとして非常に遺憾な内容と考えています。
しかしながら、私たちは本訴訟で争点となった記述を含め一連の裏金報道に取材協力していただいた複数の道警内部の情報源の皆様をぎりぎりのところで守ることができました。
私たちは、報道に従事する皆様とともに、今回の結果にひるむことなく、ジャーナリズムの本務である権力監視型の調査報道に挑んでいきたいと考えています。

2011/06/17
北海道新聞記者
高田昌幸
佐藤一

参考までに、時事は「道警では2003年に不正経理が表面化し、元幹部が裏金づくりを告白。04年に約3000人が処分された」と書いている。

心残りは、「著者の大谷昭宏くんとワシは著者なのに訴えられず、自ら申し立ててわざわざ被告になった」ことをどっこも報じてないことであるが、まあ裁判はこんなもんや。

2011年6月17日 宮崎学

上告棄却の報道はこちら。
北海道警裏金報道:道新と記者2人の敗訴確定 – 毎日jp(毎日新聞)
時事ドットコム:北海道新聞などの敗訴確定=道警裏金書籍の賠償訴訟−最高裁
東京新聞:北海道新聞などの敗訴確定 道警裏金本で名誉毀損:社会(TOKYO Web)

モンダイの本はこちら(^^)
Amazon.co.jp: 警察幹部を逮捕せよ!—泥沼の裏金作り: 大谷 昭宏, 宮崎 学, 北海道新聞取材班: 本
Amazon.co.jp: 追及・北海道警「裏金」疑惑 (講談社文庫): 北海道新聞取材班: 本

表現の自由と自由なる取材

宮崎学である。

 まずは12月28日の午後に入ってきたニュースから。
 小沢一郎さんが来年の通常国会の政治倫理審査会に出席する意思を表明したというものだ。
これについて「これで民主党内の混乱が収まり、菅政権が続く」などと論評する「ジャーナリスト」もおるようだが、そんなことはない。小沢さんは今までの主張をわかりやすく繰り返しただけである。
 この「ジャーナリスト」氏の見解とは逆に、党内の亀裂はますます深くなるだろう。
その理由は、反小沢三派連合が「ポピュリズム」を党内対立抗争に持ち込んで民主党内の対立構造を激化させたことにある。これで、党内自治が壊れてしまったのだ。この手法は、小泉の郵政民営化時の守旧派批判と同質のもので、その根底にあるのは新自由主義的な思想である。

 前置きが長くなってしまった。今回は検察とメディアの問題を考えてみたい。新検事総長関係で新聞をチェックしてみた。なぜか今回は毎日新聞が異常なまでに好意的である。

ひと:笠間治雄さん 第26代検事総長に就任
2010年12月28日 0時27分 毎日
検事任官から36年余。法務省での勤務経験は一度もなく、現場一筋で歩んできた。東京地検特捜部の在籍は計12年。部長在任中は、KSD事件の村上正邦元労相を含めて計4人の国会議員や元議員を汚職や詐欺で起訴し、永田町から恐れられた。
だが、素顔は決してこわもてではない。高齢の政治家を汚職で逮捕した事件では、勾留期限を待たず、8月10日に起訴して捜査を終結させた。「お盆前に家に帰してあげたかった」。反省の態度を示した被告への配慮だった。「末端の部下一人一人の意見をよく聞き、上司にも物が言える」と、苦楽をともにした後輩たちの信頼も厚い。総長以外の検事の定年は63歳。来月2日の誕生日で検察庁を「卒業」するはずだった。「悠々自適に暮らします」。師走に入ると、送別会であいさつし、知人には「特捜部改革ができなかったのが心残り」と淡々と語っていた。
「君が適任だ」。郵便不正事件と証拠改ざん・隠蔽(いんぺい)事件を受け、辞任を決意した前任総長から後継指名された。その姿は、ロッキード事件の主任検事を務めた吉永祐介元総長と重なる。5億円の闇献金を受領した金丸信・元自民党副総裁を罰金で済ませて検察が非難を浴びた際、信頼回復の「切り札」として登用された。
「現場に何ができるか、しっかり考えたい」。図らずも火中のクリを拾う形になった「たたき上げ」の総長に、検察の命運がかかる。【三木幸治】
【略歴】かさま・はるお 愛知県出身。中央大卒。趣味は写真。印象に残っている本は、旧日本軍が敗れた原因を分析した「失敗の本質」。62歳。

 あと郷原信郎弁護士がツイッターで笠間についてつぶやいているので、参考までに主要部分をピックアップしておくが、詳しくは
http://twitter.com/#!/nobuogohara を参照のこと。

2010-12-16 22:16:18 総長辞任は当然、遅すぎたぐらいです。これで、笠間検事総長が実現するのはうれしい限りです。笠間氏が最高検にいれば、昨年以来の東京特捜の暴走もなかったはずです。検察再生に向けての貴重な一歩です
2010-12-17 05:56:05  24日に公表される最高検検証結果が厳しく批判されることは必至、それで責任を追及されて辞任に追い込まれるより、先に辞意を表明する方がましとの判断では?

2010-12-17 06:56:35確かに個人的な思い入れもあります。私が長崎地検次席検事から東京地検に異動になり、公判部ヒラ検事で干されている時、唯一人、私を支援してくれたの笠間さんでした。その後、私が、経済刑法、コンプライアンス等の研究の道に転じ、今の私があるのも笠間さんのおかげです。
確かに、表面的に見ると、特捜検察の構造を正していかなければならないのに、特捜部長出身の笠間氏が検事総長になる、ということに違和感があるかも知れません。
しかし、私は、今の検察の最大の癌は、最近の検察の暴走を止められなかったどころかそれを主導してきた関東軍的な一部の検察幹部だと思っています。関東軍が司法メディアと結託し歯止めが利かなくなったのは、笠間氏が2年余り前に最高検次長から広島高検検事長に異動した後です。笠間氏が最高検の中枢にいてくれたら、ここまで状況が悪化することはなかったと思います。まずは、そういう関東軍的暴走の芽をつむことが先決です。戦前の日本の関東軍の暴走も、軍の中枢に事態を客観化できる良識のある人間がいれば止められたかもしれません。
今後を検察組織を抜本的改革していかなければならないと思いますが、それに対して立ちはだかるとすれば、検察組織内の関東軍だと思います。特捜検察の構造的問題についても、笠間氏は、自らの体験を踏まえて、客観的にとらえることができる人だと思います。

ちなみに郷原弁護士は、ワシがアップした村上正邦氏「司法・検察の抜本的改革の実現をめざすために」

について

そういう批判はあり得ると思います。しかし、まず必要なのは最近の「暴走検察」を正常化すること、そういう意味では、特捜検察での経験を有し、なおかつ、適切な判断力を持っている人が特捜検察を含めた検察の総責任者として適任です、その上で、検察組織の構造的な問題を明らかにし、抜本改革をめざしていくことが必要になりますが、それは、検察内部だけでは無理です。まさに検察の在り方検討会議での議論を深めていくことが必要です。笠間氏が検事総長に就任することがベストかどうかはわかりませんが、少なくとも現場経験が乏しい法務官僚よりはベターだと思います。

と書いている。
 もう一つ、こんなのもあった。日歯連事件でも死人が出ておったのだ。

吉田前議員の第二秘書自殺 日歯連事件で東京地検の聴取受ける
2004.03.02 東京朝刊 39頁 (全424字)  読売
日本歯科医師会(日歯)の政治団体「日本歯科医師連盟」(日歯連)の政治資金規正法違反事件に関連し、東京地検特捜部に事情聴取を受けた吉田幸弘前衆院議員(愛知三区、昨年の総選挙で落選)の公設第二秘書だった夫馬(ふま)嘉彦さん(29)が、東京都内の自宅で自殺していたことが一日、分かった。
知人から連絡を受けた警視庁代々木署員が先月二十九日午前二時ごろ、渋谷区代々木四の自宅を訪れ、首をつって死んでいる夫馬さんを発見した。玄関は施錠され、遺書があったという。検視結果などから、死亡したのは同二十七日午前十時ごろとみられている。
東京地検などによると、夫馬さんは同二十六日、吉田前議員の他の公設秘書経験者らとともに、事情聴取を受けた。それ以前にも聴取を受けており、この日は午後一時半ごろから夕食をはさんで同九時半ごろまで行われたが、特に変わった様子はなかったという。二十七日も聴取予定だった。同地検の笠間治雄次席検事の話「謹んでご冥福(めいふく)をお祈りします」

 死亡記事はともかく一連の新聞記事は、いったい何なのであろうか。
 私は文章を書くことを生業とすることになってから、とりわけ表現の自由には神経質になっている。そして、当たり前のことであるが、「表現の自由」の根底には「取材の自由」があると考えるに至った。
 その視点から見ると、これらの記事は「自由なる取材」によるものではない。笠間新総長様に対して“新聞的な”エールを送ったに過ぎない駄文である。その思惑は、今後の検察への取材がやりにくくなることを回避しようとするもので、それは「自由な取材」を放棄することを宣言したものである。
「自由な取材」という立場を取るのであれば、たとえば日歯連事件の際に不起訴や処分保留にした政治家についても言及すべきであろうし、村上正邦さんのKSD事件については特捜部の「虚構のストーリーありき」による捜査手法の有無を追求すべきである。

 先日紹介した村上正邦さんの「司法・検察の抜本的改革の実現をめざすために」の一文を改めて引いておく。

笠間氏の検事総長就任人事を報ずる新聞各紙は、笠間氏は特捜検察の経験が長く、東京地検特捜部長として辣腕をふるい、4人もの政治家を逮捕したことを「実績」として高く評価している。

しかし、この「実績」に問題があるのだ。笠間氏自身が、いま国民の批判に晒されている特捜検察の捜査手法を駆使し、ストーリーありきで幾多の事件を作り上げてきた中心的存在の人物なのではないか。

いま我が国の検察が直面しているのは、今回の大阪地検特捜部の「事件」が何故起きたのか、そしてその根本にある「検察文化」とは一体、如何なるものだったのかを、自ら真摯に問うことである。

あわせて、笠間氏が指揮をとった全ての「事件」の検証があってしかるべきことは、論をまたない。

 27日に引責辞任した大林宏前総長と笠間新総長の「差」にメディアが強調するようなものなどない。私の友人がよく使う「ウン○味のカレー」と「カレー味のウン○」くらいのもんである。
メディアはことさらに「新総長様の現場の経験の長さ」を評価しているが、その現場こそ「大阪地検特捜部の証拠捏造」を生んでいたところではないのか。
私に引きつけて言うと、このメディアの「ゴマすり構図」というのは、実話雑誌がヤクザを批判しにくいことと同じように思える。その批判しにくい構図の中にあっても表現を工夫し、時にはリスクを覚悟して表現していくべきだと考える。
こんなレベルのメディアから情報を与えられるこの国の国民は不幸である。

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