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心地よき言葉

本音のコラム(7回目)4月17日

 現代社会は、世論というマグマの上にきわめて不安定に建つ建造物という観がある。マグマは時には噴出Lたり、地鳴りを響かせたり、沈黙したりする。

 このマグマは、元来人間の情感に由来するものだけに、人工的に加工されやすいという性向を持っている。

 このことから、マグマの動きを演出する技術の巧拙が社会の支配層たり得るかどうかの分岐点となる。

 こうして君臨を求める者は、マグマを自らの意図の下に制御する技術を練り上げることとなる。

 ところが支配する者に対抗する側も、世論というマグマに依ろうとする。そのため、現代社会における対立と闘争とは、この世論の奪い合いということになる。

 そのため、支配し君臨する側も対抗する側も、マグマが反応しやすい、心地よい響きの言葉、勧善懲悪に図式化された平面的な言葉を多用する。

 今回の統一地方選挙で繰り返し使われた言葉からもこの種の傾向がうかがえる。それは「市民」、「無党派」、「改革」というものであった。何故かこれらの言葉は肉感性のカケラもないデオドラントなものである。

 しかしこれらの言葉は、マグマにとっては心地よく響いたようだ。その結果、東京都民にいたっては、70歳を超える老人を、閉塞する政治状況を打ち破る「戦士」として選択することとなった。

 自らの内からほとばしる言葉は不要となり、平準化された言葉が大量に消費される時代となった。

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