- 2003-03-13 (木) 14:51
- 本音のコラム
本音のコラム(2回目)3月13日付
テレビで犯罪を評論する「知識人」の慣用語なのであろう、「人間性のかけらもない行為だ」といった表現を耳にすることがある。しかし、動物は犯罪を犯さない。犯罪が人間特有の行為であるとするならこの表現は言語矛盾ということになる。こうしたことから動物と人間の差はどこにあるのかを考えてみた。人間は思想や宗教を持つことが出来る。それが動物との差ではないだろうかと。
その際問題とすべきは、自らと異質の存在についての態度である。ここで私は異質の他を認めよというありきたりな民主主義を説くつもりは毛頭ない。もともと絶対の正義、無謬の人間、そして国家さらに思想など存在した試しは人類史上見出し得ない。そこで自らが誤謬に陥る可能性を排除しないという思想の地平が、唯一人間が持ち得る動物との差異と私は確信したい。
おおよそ取るに足りる思想とはそういうところから初めて醸成されてくるものと考えるからである。こうしたことから、正義は我にあり、我以外は悪徳であり殲滅すべしと熱狂に酔う人達を嫌悪せざるを得ないのである。皮肉で残念なことだが、正義の旗を振りかざすことによって人間は動物以下の生き物になり下がり、その結果「人間性のかけらもない行為」を何度も繰り返してきたというのが人の歴史の姿ではないだろうか。
ブッシュのイラク侵攻を直前にした今、人間とはかくも愚かな存在であったことを再認織した。
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